国語
問題分析
令和七年度入試の国語では、昨年同様の大問構成で漢字、文法・基礎知識、古文読解、論説文読解が出題されました。それぞれの大問の出題傾向に大きな変化はありませんでしたが、長文読解問題の素材文の提示の仕方に、少し変化がみられました。
文法・基礎知識問題では、近年では出題されていなかった漢文の知識問題が出題され、与えられた書き下し文のとおりに返り点をつけた訓読文を選択肢から選ぶ問題が出題されました。また、近年出題されていた「語句の意味」の新しい問い方で、国語辞典に載っている外来語「プログラム」がもつ複数の意味を問う問題が出題されました。その他、品詞の識別、動詞の活用の種類、四字熟語の意味などの基礎知識を問う問題が出題されました。今後も文法に限らず、幅広い国語の知識が問われると考えられます。
古文読解では、近年は古文とそれに関する現代文の二つの文章を提示する問題が続いていましたが、今年度は現代語の会話文によるあらすじ紹介、それに続く古文、さらにその古文についての会話文の三つの文章が与えられ、古文の内容を捉える問題や、人物の心情を読み取る問題が出題されました。
論説文読解では、昨年度に続いて二つの文章を検討して主題をまとめる記述問題などが出題されました。
類似問題
入試問題〔三〕古文の問題は、『浮世物語』から出題されました。入試問題では「現代語で書かれたあらすじ」と「古文」、またそれに続く「生徒と先生の会話」を読んで解答する問題でした。新潟県統一模試では、第七回模試が入試同様の出題構成で、先生と生徒が人物の心情や歴史的背景を考察している点が類似しています。
数学
問題分析
今年度の数学の問題は、問題構成でいうと、昨年度と同様大問5題の出題でした。
〔1〕が計算などの小問集合形式で配点32点であることも変わりません。ただ、(8)の設問では、度数分布表から読み取れることを○×で回答するという設問は、あまり過去にみない設問形式でした。また、例年〔6〕で出題されていた空間図形の分野が、〔3〕で出題されているという変化がありました。
〔3〕は、動点問題としてはよく見るパターンですが、3つの点が同時に動いていくという点で、それぞれの条件を整理する力が必要な問題でした。
〔4〕は、一昨年度出題されていた会話形式の問題で、身の回りの具体的な事象について数学の基本事項を当てはめて考察を進めていくという近年の特徴的な問題でした。
〔5〕は、速さに関する一次関数の利用問題でした。(1)~(3)は基本的な問題であったが、(4)は設問自体の文章量が少し多めで、これもまた条件をしっかりと整理して、求められているものが何であるかをしっかりと把握した上で解いていかなければいけない問題でした。
1、2年内容からの出題が多く、比較的に易しめの問題ではあったが、文章から条件をしっかりと整理する力とその時間を要するという意味では難しさがあるため、数学とはいえども読解力が必要であったと感じる。
類似問題
入試問題〔2〕(3)は作図の問題で、同じ直線上にある2点から、垂線の作図と正三角形の性質を利用して点を作図する問題でした。この問題は、新潟県統一模試第9回の〔2〕で出題した問題と解答方法が似ていました。 どちらも、あらかじめ2点を通る直線が用意されており、そこから垂線の作図と図形の性質(模試では直角二等辺三角形)を利用して点をを作図するという、似た出題形式となっていました。
英語
問題分析
今年度の英語の入試問題は、全体として難易度が低かったように思われます。
また、大問構成も前年までと変化はなく、基本的な内容をしっかりと学習してきた受験生にとっては、解き易かったのではないかと思われます。
英作文に関しても、テーマとして、〔2〕「英語の4技能の中で受験生自身が最も伸ばしたいもの」、〔4〕「地域社会のために取り組むこと」と、平易なものであり、書き易かったのではないかと思われます。
ただし、一方で、〔1〕リスニングの英文の分量が少し多かったり、〔3〕対話文読解において、図書館の本の分類に関する問題が出題されたりと、前年までよりも、情報処理能力を問う問題が多かったように思われます。
類似問題
こちらは、自由英作文の問題です。地域社会のために、「自分であれば何をするか」を書く問題となりました。特異なテーマではありませんでしたので、模試で何度も英作文問題に取り組み、対策をしてきた受験生であれば解けたでしょう。新潟県統一模試でも、社会問題に対する自由英作文を出題していました。
社会
問題分析
今年度の入試問題における分野ごとの特徴は、以下にまとめられると思います。
地理分野では、国旗のデザインに関する出題が目新しかった他、コールセンターをおく都市の位置やEU加盟国間の通行に関する問題に特徴があったと思われます。
歴史分野では、問題の形式、内容ともに平易なものが多かったように思われます。古代ギリシャに関する出題があったのが特徴的でした。
公民分野では、社会保障や為替相場に関する出題が、現代社会の課題を反映させた問題であったといえると思われます。また、〔6〕の空き家問題に関しても同様に現代的な内容であると同時に、65字以内の記述問題は、資料を適切に読み取って文章としてまとめる力が問われる問題であったと思われます。
類似問題
類似問題の一例は地理の問題です。西日本における各県の産業に関して資料を読み取り、どの県がどのデータに当てはまるか問う点で似ていました。新潟県統一模試と入試問題では、どちらも果実や畜産の出荷額データを読み解く点で類似しており、産業の特徴をおさえておくことが求められる問題でした。
理科
問題分析
今年度の理科の問題は、昨年度と同様大問数が8題でした。大きな変更点としては、例年〔1〕が生物・地学・物理・化学の4分野から集められた小問集合形式の大問でしたが、今年度は各分野から2題ずつ出題された8題という大問構成となっていました。これまでの出題傾向にあった実験結果についての会話文を読みながら知識を整理し、実験操作の方法や目的について解いていくという問題は、今回出題がありませんでした。また、作図問題の出題もありませんでした。
出題傾向としては、用語を知っているだけではなく、身近な現象のしくみついて、どうしてそのようになっているのか、またはどうしてそのようなことが起きるのか、といった理由までしっかりと理解しておかなければ解けない問題(〔1〕(3)や〔2〕(2))が出題されています。
類似問題
入試問題〔3〕では、イオンについての大問となりました。新潟県統一模試第6回の〔2〕と同様に、金属の種類によるイオンへのなりやすさの違いについて、実験の結果から内容を理解し、解答する問題が出題されました。